期間工フグメットはこの世から蒸発してゆく。
私がとある工場の期間工として入社した時である。
およそ60名はいたであろうか。でも私と同じ課に配属されたのは、まだ20代前半のもう一人の若者(以下シェフとする)だけであった。
基本的に初対面の人とはなかなか交友を持とうとしない私ですが、たったの2人しかいないのである。ここは社交的に振舞おうではないか。
話の成り行きで、シェフは調理師なんだと宣言した。そこで何をしていたのか詳しく聞いたところ、
シェフ「イタリアンとフレンチをやってるんだー!」
フグメット「!!」
いや、もうやってねえから!お前!てかイタリアンとフレンチってそんな両立してできるものなのか?もはやイタリアンとフレンチの区別ついてないんじゃね?
とか内心で思ってしまいました。
深く聞くのはやめました。なんか・・・地雷踏みそうで・・・。
その後、シェフとともに受入れ研修を終え、帰路の途中、シェフが爆発した。
シェフ「ここ無理!絶対無理だわ!」
フグメット ( ゚д゚)ポカーン どうしてそうなった?
シェフ「無理無理!やめるわ!」
親切な私は、直ぐにやめてしまっては入社祝い金がもらえなくなってしまうよ~と教えてあげた。当時は30万だったか、あまりにももったいない。
すると!
シェフ「もらえるよ!(半ギレ)それに他にも内定もらってるし!合わなかったら来るように言われてるもん!」
そんなわけあるかーーーーい!
入社祝い金は定められた期間を勤務態度良好で皆勤等をすることにより、初めて支給されるのだ。もし、他社に転職してしまえば当然もらえるわけがない。転職先で支給される可能性は無きにしも非ず。
工場の入口には名簿が掲示されており、自分で出席確認のサインをしなくてはなりません。そのため、誰が欠席したのかは一目瞭然であった。
シェフは、3日で蒸発したよ
配属1日目で蒸発しなかったことは褒めて遣わすぞ!3日いれば、まあ少しは仕事の流れをつかめるかな?単純な仕事ですからね~。
ま、そんなもんですよ。期間工なんてシェフみたいな人間がゴロゴロといます。
シェフ・・・今頃なにしてるかな?今度は中華の料理人にでもなってるかな?いや、日本料理か?エスニックか?間違いなく期間工は続いていないだろうな。
案外大物になってたりしてな~。